意外と意識していない方が多いですが、戦略的コンテンツ造りにおいてもっとも大事な部分の一つはペルソナです。
ペルソナ…聞いた事はあるけど実際どういったもので、なぜ必要なのかわからない方が大勢いると感じていて、こちらの記事を作成することになりました。
Googleで“ペルソナ”と検索すると色んな記事が出てきますが、何故か理解ができなくて困っている。そういう方ならこちらの記事がおすすめです。
6年以上WEBコンサル業務を行なっているWEB専門コンサルタントが、コンテンツマーケティングの実績と経験を元にコンテンツマーケティングとペルソナについて例を挙げながら分かりやすく説明します。
こちらの記事で学んだ内容をご自身のコンテンツにしっかり落とし込んでからGA(Google Analytics)のチェックすると、今まで自分のコンテンツではあまり見た事のない数値を確認する事ができるでしょう。
ペルソナとは?
コンテンツマーケティングにおいて無くてはならないと言えるほど大事なのがペルソナです。ペルソナのないコンテンツは地図を持ってない宝探しと同じで、ペルソナはコンテンツ自体の目的を果たす指標となるものだと言えます。
ペルソナは、簡単に言うと読み手を設定することで、少し具体的に説明すると、自分が書いたコンテンツをどんな人に読んでもらいたいのか、またはどんな人が読むのかを事前に想像して設定することがペルソナ設定です。
設定する順番としては、大きく分けて次の3段階になります。
1.コンテンツの目的を明確にする
一般的にコンテンツの目的を明確にするという表現のみで説明すると、多くの人が目的について難しく考えすぎてコンテンツの方向を失いがちです。
その結果コンテンツを書く際に文章の流れがいろんな方向に分散してしまい、結局見直す時間が多くかかってしまう場合が多いです。
そういう問題を事前に防ぐ方法として、コンテンツの目的設定をする際に自分にして欲しい質問を用意しました。
“あなたが記事を作成されるのはなぜですか?”
“その記事を書いて人に読んでもらいたい理由について教えてください。”
答えとして大きく分けると、
「商品を売るため」(トランザクション系)
「〇〇〇を知って欲しいから」(インフォメーション系)
「お店に来て欲しい」(ナビゲーション系)
このように挙げられると思います。
購入を目的とするトランザクション系、情報配信をするためのインフォメーション系、案内を目的とするナビゲーション系。
このように自分が書きたいコンテンツが何系の目的なのかを確認したら次に具体的な設定へと進みます。
2.ポイントを絞ってから人物設定
先にポイントを絞るという意味について簡単に説明しますと、コンテンツマーケティングのためにターゲットの年齢、地域、趣味等ある特定人物の条件を想定して区分することを言います。
ポイントを絞るのは、すべてのコンテンツで適用される部分でありますが、どこまで絞るのかはコンテンツの目的によって変わってきます。
例えば、コンテンツ制作の目的が“男性用の髭剃りを販売目的の商品紹介”だった場合、ポイントを「男性」だけに絞るのか、「会社員」の中で「20代〜40代」の「男性」のように細かく絞るのかによって、アプローチの仕方(戦略)や刺さりやすい言葉の選び方等が大きく変わってくるのです。
例えば「男性」のみで絞った場合は、下記のようにふわっとした絞り込みになります。
→時間があるときにツイッターをよく見る男性
「会社員」「20代〜40代」「男性」のように細かく絞った場合は下記のように読み手が記事を読む時間帯まで想定して絞り込みができます。
→平日は、出勤時間と退勤時間に電車の中でツイッターをよく見る男性
そのため、最初のポイント絞りは、とても大事な部分になってきます。
ポイント絞りができたら次に読み手がどんな人なのか決める人物設定の段階です。
人は色んな性格を持っていてその性格別に現れる特徴もまたバラバラですがいくつか例を挙げて説明します。
「のんびりで落ち着いてる性格の人」は、コンテンツを読む時も周りを落ち着いた環境にしてから読むことが多いため、少し説明が長くてもしっかり読んでくれるので、簡単な説明より具体的な分析情報を配信した方が信頼してもらえる可能性が高まります。
逆に「気が短くて時間があまりない人」の場合は、自分が知りたい情報を一目で見たいという欲が強いので、具体的な説明より簡単でポイントだけ伝えるような内容が向いているのと、こういった方々は何かを購入するまで判断時間も短いのが特徴です。
上記以外にも様々な性格を持ったペルソナ設定ができると思いますので、しっかりポイント絞りと人物設定をしてからコンテンツ造りを始めることがおすすめです。
もしポイント絞りとペルソナを設定しないでコンテンツ造りを終えた場合、自分が求めていたのと異なる結果になりやすいので要注意です。
そして特定人物を区分する際によくある質問について補足します。
2-1.特定人物を区分する際の考え方
ペルソナ設定をする際に特定人物を区分する基準は、絞れば絞るほど、読んでもらえる人が少なくなる気がするという声をよく聞きます。そして結果、どんどん区分基準を広げてしまい、すべての人に読んでもらうというケースが多いみたいです。
そういった考え方をお持ちの方に考えの変化を与えるために次の問題を用意しました。
Q.二つの小屋があり、ウサギだけに餌として人参を5個与えなきゃいけません。その時、Aの小屋にはウサギだけがいて、Bの小屋にはウサギを含む多種の動物が100匹います。あなたはどこに人参を入れますか?
※条件:1つの小屋にしか餌をあげられない。
答えとしては「Aの小屋に全ての人参を入れる」になります。
その理由としては、人参がウサギに渡される可能性が高いからです。こういった目標に対しての達成率をWEBマーケティングではCVR(Conversion Rate)と言います。
母数が大きくなればなるほど少なくなりやすいのがこのCVRです。そのため広告業界では、より具体的にターゲットを絞る事をとても重要なポイントとしていて、特定人物を区別することは無駄な出費を減らす効果に直結する戦略でもあります。
なので、特定人物を区分することにより母数が減ってしまうという心配に関しては、深く考えすぎないようにするのが望ましいです。
3.ペルソナ(読み手)別アプローチの仕方を考える
上記でも説明している通りペルソナの絞り方は深くなればなるほどその結果が変わり、その結果ごとにアプローチの仕方も変わります。
単純に性別だけで設定したペルソナはみんなに共通で適用されるような内容をもとにコンテンツを書く必要がありますが、年齢や住む地域が設定されているペルソナのコンテンツは、もっと具体的でその人物に当てはまるような明確な情報を戦略的に書く必要があるのです。
そしてペルソナ設定の中に「業界のプロ」という区分が設定されている場合は、“〇〇とは?”という相手が知ってそうな基礎的な知識の内容を避ける事で、途中離脱率を防ぐことが可能ですし、逆に「未経験」を区分している場合は、“基礎から始まる〇〇”などの内容を入れて1から教えるような説明が必要となる場合があります。
ここまでペルソナ設定について色々説明しました。ここからはペルソナ設定とSEOを意識したコンテンツ造りの結果について簡単に紹介します。
キーワードとペルソナを知ると生まれる結果
ペルソナ設定がコンテンツ造りの案内道だとしたら、公開されたコンテンツの場所をユーザーが探せるようにしてくれる矢印を決めるのがキーワード選定になります。
キーワードの選定をする目的としては、SEOと呼ばれる検索エンジンで上位表示させる施策を行うためです。もちろんキーワードを意識しただけで上位表示をする事ではありません。
しかしコンテンツ造りにキーワードさえ入って無ければ、ユーザーがその記事を検索するための矢印であるものすらないということになってしまうので、検索して入ってきて欲しいキーワードは常に意識しながらコンテンツを書く必要があります。
※具体的な説明は、コンテンツ内のキーワード選定【SEO編】で具体的に説明します。
実際ペルソナを設定し、キーワードを含んだコンテンツを公開すると次のような結果に至りました。
参照元のデータで現れた大きい特徴としては、オーガニック(広告ではなく自然検索)からのユーザー数が70%を超えている。さらに
全てのページデータからは、一番読まれている記事の滞在時間が平均6:10秒という結果を残すことになりました。
実際コンテンツを作成した側からこの結果をみて感じたのは、コンテンツ制作は戦略も大事であるが、書く人の心構えも文字一つ一つに表現として現れるということです。
コンテンツマーケティングを行う全てのライター様へ
文字で人の心を動かしたり狙った行動をさせたりすることができる魅力的な仕事がコンテンツマーケティングです。
難しい言葉ではあまり説明できないため、簡単でわかりやすくコンテンツのあるべき姿について説明しますと、「利他的で謙虚な姿勢を持って創る読み物」だと伝えたいです。
世の中には数え切れないほどのコンテンツが検索エンジンだけではなく、オフライン世界でも存在しています。その中で人に役立つ情報を書き続ける人々もいる反面、ただお金を頂いて量を満たすために作成される人もいるのが現実です。
人間は生まれた時から時間に追われ、結局死に至ります。人のために書いて評価されるコンテンツも自分のために書いて評価されないコンテンツも自分の命を使うことには変わりありません。ですので、せっかく書くコンテンツならみんなの役に立つ、そういうコンテンツを作って欲しいです。
記事を読む人はその文によりいろんな行動をします。口コミ、つぶやき、購入、予約等…
そういう方々が後悔のない選択ができるように手助けをするのがライターだと思っています。
より素晴らしいコンテンツがどんどん増えていくことを心から望む一方です。